『 イエスさまの“おきて” 』

ヨハネ福音書13:9~10(5月11日こどもとおとなの合同礼拝)

「おきて」って分かりますか?大切な決まり事、大事な命令のことです。旧約聖書には「モーセの十戒」という掟があります。この掟を大切に守って生きてきたのが、イスラエル民族、イエスさまの祖先の人たちです。

福島県会津地方の武士は「什の掟」という教えを守って生きていました。「年上の人の言うことに背いてはなりませぬ」「うそをついてはなりませぬ」「弱い者をいじめてはなりませぬ」など、いくつもの掟があります。中には「戸外で物を食べてはなりませぬ」「戸外で女子と口をきいてはなりませぬ」といった、変な掟があります。

世界中のあちこちにこういう掟があります。人々は掟を大切に守って生きてきました。その掟を破ったらどうなるか?罰を受けます。逮捕され牢屋に入れられたり、場合によっては死刑になることもありました。それはイヤなので、人々は仕方なく掟を守っていました。

イエスさまは、実は「掟破り」でした。いつもいつも破っていたわけではないけれど、時々掟を破りました。どんなときか?例えばたくさんある掟の中には、みんなが「おかしいなー、変だなー、どうしてこんな掟を守らないといけないのかなー…」と思うような掟もありました。でも罰が怖くてみんな仕方なく掟に従っています。そんな中でイエスさまは、「そんな掟、守らなくていい!」と言って掟を破られたのです。

イエスさまの時代に「安息日の掟」というものがありました。安息日は仕事をしてはいけない、その日が仕事を休んで神さまを礼拝しなさい、そんな掟です。ところが困った人(病気の人)がいたとしても、「安息日には仕事をしてはいけない」という掟のために、助けることができなかったのです。

しかしイエスさまは安息日の掟を破ってその人を癒してあげました。「安息日であっても、人を助けるのはよいことだ」。癒してもらった人はうれしかった。でもこの掟破りのためにイエスさまは罰を受けねばなりませんでした。その罰とは…?それは「十字架」だったのです。

そんなイエスさまが命じられた掟があります。「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」それがイエスさまの掟です。「愛する」とは「大切にする」ということです。自分の家族を、仲間を、友だちを「大切にする」。それがイエスさまの掟です。

イエスさまはさらにもっと難しい掟を与えられました。「あなたの敵を愛しなさい」。敵を愛せますか?なかなかできないことです。でもとっても大事なことです。この掟を大切に生きようとする時、そこに祝福があるのです。

2014-05-11 | Posted in | Comments Closed