『“こどものこころ”を大切に 』

2015年6月14日(日)
マルコによる福音書10:13-16

聖書に書いてあるお話です。あるとき、イエスさまのお話を聞きにやってきた人たちの中に、こどもを連れてきた人たちがいました。イエスさまに祝福してもらおうと思ったのです。ところがお弟子さんたちは「こらこら、大事なお話の最中だから、こどもたちを連れて帰りなさい」と言いました。「こどもはうるさいし、いろいろ面倒もかける。こどもは邪魔だ!」 お弟子さんたちはそんな風に思っていたのでしょう。

するとイエスさまはそんなお弟子さんたちを叱って言われました。「こどもたちを来させなさい。拒んではならない。神の国はこのような者たちの国である」。こどもの心を大切にしなさい。イエスさまはそう言ってお弟子さんたちを叱られました。どうして叱られたのでしょう?

それに答える代りにひとつの絵本を読みます。「わがままな大男」(オスカー・ワイルド作)という絵本です。最初大男はこどもをいやがって自分の庭から追い出します。こどもたちは怖がって、大男の庭から姿を消してしまいました。すると庭はいつまでたっても冬のまま。冬の厳しさに耐えられなくなって、春を待ちこがれている大男。するとある日、庭の隅っこの木に花が咲いているのが見えました。その木の枝には、こどもたちが座っているのでした。大男が心を開いてこどもたちを受け入れると、庭には春がやってきたのでした…。

「こどもたちの声には、春を運ぶ力がある」、この絵本はそんなことを教えてくれます。イエスさまもきっとそのことを知っておられたのでしょう。だからお弟子さんたちを叱り、こどもたちを祝福されたのでしょう。

みんなには「春を運んでくる力」がある。大人の人を救う力がある。僕はそう信じています。これからも、みんなの楽しい声をこの教会いっぱいに響かせてくださいね。そしてひとつお願いがあります。みんなのその力を、自分ひとりの目的のためだけに使うのではなくて、ぜひいろんな人たちのために役立たせてほしいのです。

もうひとり、「こどもの心を大切にすること」によって救われる人がいます。誰だと思いますか?それは「あなた自身」です。石井桃子さんという童話作家のおばあさんがこんなことを言われました。

「子どもたちよ、子ども時代をしっかりと楽しんで下さい。
おとなになってから、老人になってから、
あなたを支えてくれるのは、『子ども時代のあなた』です。」

この言葉をどうか忘れないで、憶えていて下さいね。“こどものこころ”を大切に!

(花の日・こどもの日合同礼拝)

2015-06-14 | Posted in | Comments Closed