2017年05月のメッセージ
-
2017年05月28日
2017年5月28日(日) 昇天日
ルカによる福音書24:44-53映画監督の犬童一心さんが、東京・井の頭自然園の人気者で昨年69歳で亡くなったソウのはな子のことを新聞に書いておられた。久しぶりに自然園を訪れると、いつもの象舎はあったが、もちろんはな子はいない。誰もいない運動場に葉桜が揺れているだけ。ふと気付くと、自分たちと同じように所在なさげに象舎を眺める人が何組も。「いるときより、いなくなって、よりいっそうはな子の役割が浮かび上がったような気がした」そう記しておられた。あたり前のようにそこにいた存在が、いなくなることによって、より一層強い心の思い出としてよみがえり、寄り添ってくれる…。そんな心象が語られ、小さな感動を覚えた。
「そうか、もう君はいないのか」。これは小説家・城山三郎さんの本のタイトルだ。城山さんに先立って亡くなられた妻の容子さんとの思い出を綴った遺稿である。「容子がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れることができない。ふと、容子に話しかけようとして、われに返り、『そうか、もう君はいないのか』と、なおも容子に話しかけようとする。」
その人はもうそこには存在していない…。手を触れたり、言葉を交わし合うことはない…。にもかかわらず、存在している時よりも、もっと強くもっと深く、その人とのつながり・関わりを感じさせられる…そんな体験がある。そのような関わりによって自分が支えられ、励まされる人はさいわいである。
今日は「昇天日」。十字架の死よりよみがえったイエスが、天に昇られたことを記念する日だ。 続きを読む »
-
2017年05月21日
2017年5月21日(日)
列王記上18:36-39、マタイ6:5-15先日の婦人会野外例会の日、朝はどしゃぶりだった。妻に「これは無理だ。赤城行きは中止にしたら?」と言うと、「小雨決行、午後から止むという予報です」。果たして出かけてみると、午後には雨がやみ陽も射してきて、豊かな午後を過ごすことができた。「ほら晴れたでしょ?まったく、あなたは信仰がないのだから」と言われてしまった。
確かに悲観的なことを言ったのは事実である。反論はしなかったが、しかし心の中のアマノジャクがつぶやいていた。「信仰って、そんなもんか?」確かに信仰にはまだ見ぬ未来に希望を抱き、信じてその実現を待つという一面がある。しかし一方で、信じて祈っても雨は止まずカミナリさえ落ちることがあるかも知れない。それは「信仰が足りない」ということになるのだろうか? 続きを読む »
-
2017年05月14日
2017年5月14日(日)
ヨハネの手紙Ⅰ 2:1-11戦後日本の歩みを下支えしてきた日本国憲法が、今年で施行70周年を迎えた。「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」。特に平和主義を定めた憲法9条は、太平洋戦争の苦しみを体験した人々に希望を与え、多くの人がこれを歓迎した。
その憲法9条を、大きく書き換えようという動きが年々強まっている。曰く「現憲法は70年間一字一句たりとも変えられていない… それでは現実との整合性が取れなくなる… 憲法と言えども『不磨の大典』ではない… そろそろ改訂していいのではないか… その機は熟している…」。ようするに古い決まり事だから変えてもよいだろう、ということだ。
様々な「決まり事」は人間が定めたものであり、古びてしまう、現実に合わなくなることが起こり得る。 続きを読む »
-
2017年05月07日
2017年5月7日(日)
ヨハネによる福音書11:17-27イエス・キリストの復活を信じる信仰は、キリスト教にとって信仰の原点であり出発点である。私たちの宣教、それはよみがえりの主を宣べ伝えることであり、私たちの信仰はよみがえりの主と共に、導かれて歩むことに他ならない。またキリスト教の教義においては、私たちもまた終わりの日によみがえり、最後の審判を受けるという道が示されている。
このようにキリスト教にとって復活信仰は重要な核となるものであるのだが、その信仰のありようについて、どうしてもひとつ気になることがある。それは「死の位置づけ、死の受けとめ方」である。
「私は復活を信じています。だから死は怖くありません」と言われる人がいる。それは確かに真実な思いだと言えるが、そこでもう一歩突っ込んで考えて欲しいのだ。「復活を信じているから死は恐くない」と言う時、そこでの死とはマイナスであり、敗北であり、ネガティブなだけのものとして捉えられてはいないだろうか。 続きを読む »
メッセージの月別一覧
- 2023年9月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年6月
- 2023年5月
- 2023年4月
- 2023年3月
- 2023年2月
- 2023年1月
- 2022年12月
- 2022年11月
- 2022年10月
- 2022年9月
- 2022年8月
- 2022年7月
- 2022年6月
- 2022年5月
- 2022年4月
- 2022年3月
- 2022年2月
- 2022年1月
- 2021年12月
- 2021年11月
- 2021年10月
- 2021年9月
- 2021年8月
- 2021年7月
- 2021年6月
- 2021年5月
- 2021年4月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年2月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年8月
- 2019年7月
- 2019年6月
- 2019年5月
- 2019年4月
- 2019年3月
- 2019年2月
- 2019年1月
- 2018年12月
- 2018年11月
- 2018年10月
- 2018年9月
- 2018年8月
- 2018年7月
- 2018年6月
- 2018年5月
- 2018年4月
- 2018年3月
- 2018年2月
- 2018年1月
- 2017年12月
- 2017年11月
- 2017年10月
- 2017年9月
- 2017年8月
- 2017年7月
- 2017年6月
- 2017年5月
- 2017年4月
- 2017年3月
- 2017年2月
- 2017年1月
- 2016年12月
- 2016年11月
- 2016年10月
- 2016年9月
- 2016年8月
- 2016年7月
- 2016年6月
- 2016年5月
- 2016年4月
- 2016年3月
- 2016年2月
- 2016年1月
- 2015年12月
- 2015年11月
- 2015年10月
- 2015年9月
- 2015年8月
- 2015年7月
- 2015年6月
- 2015年5月
- 2015年4月
- 2015年3月
- 2015年2月
- 2015年1月
- 2014年12月
- 2014年11月
- 2014年10月
- 2014年9月
- 2014年8月
- 2014年7月
- 2014年6月
- 2014年5月
- 2014年4月