2019年04月のメッセージ
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2019年04月28日
2019年4月28日(日)
ルカによる福音書24:13-34東北教区が設置していた、東日本大震災被災者支援センター「エマオ」が、8年間の働きにピリオドを打ち、今年の3月末をもって活動を終了した。私も何度かボランティアに行かせてもらったが、エマオはリピーターの多いボランティアセンターであった。
エマオの活動の特色は「スローワーク」。スピード重視ではなく、現地の人とつながり、人力によるゆっくり丁寧な支援活動を続けてきた。当初ガソリンが貴重品であったため、片道15㎞の道のりを毎日自転車で現地まで出かけることとなった。合言葉は「私たちは微力である。でも無力ではない。」そんな活動の中で結ばれた被災地の方々との絆。それがリピーターを引き寄せる磁力となったのであろう。私を含めて、みんな心が熱くなる経験を重ねてきたのだと思う。
人が生きるのは、自己利益の追求のためだけではない。共に生きるためなのだ。「金だけ、今だけ、自分だけ…」そんな生き方を続けていたのでは決して知ることのできない豊かさを感じさせてもらった経験。それがエマオで得た宝物である。
今日の箇所は、エルサレムからエマオへ向かう道で、よみがえりのイエスに出会った二人の弟子の物語である。 続きを読む »
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2019年04月21日
2019年4月21日(日)イースター礼拝
創世記9:8-13、ルカ24:1-12ペトロはイエスを裏切った。裁判の様子を遠巻きに見ていたところ、「お前もあの男の仲間だろう」と尋問され、「あんな男のことは知らない。」とその関係を否認した。イエスの予言(ルカ22:34)の通りであった。
イエスの受難予告を聞いた時、「ご一緒になら牢に入っても死んでもよいと覚悟してます!」と威勢が良かったペトロ。しかし追い詰められた肝心な状況の中で、その誓いの言葉に誠実でいられなかった。鶏の鳴き声でイエスを裏切ったことを悟ったペトロは、外に出て激しく泣いた。
そこから先、金曜日から日曜日にかけての時を、ペトロはいったいどんな思いで過ごしただろうか。 続きを読む »
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2019年04月14日
2019年4月14日(日)
ルカによる福音書22:47-63世には様々な冤罪事件が存在する。その中の一つに「狭山事件」がある。女子高校生の誘拐殺人事件の容疑者として、被差別部落出身の石川一雄さんが逮捕され有罪となった事件であるが、石川さんは有罪判決が降された後、ずっと無実を主張しておられる。逮捕、有罪判決、再審棄却の背後に、部落差別があることが強く批判される事件である。
石川さんは、確かに一度は自白をした。しかしそれは家族(兄)に疑いがかけられていることを聞き及び、取調官との取引のような形でなされた自白であった。「やってないなら自白なんてしないはずだろう」と思うかも知れないが、取り調べの過酷さの中ではそういうことがあり得るという。逮捕・拘留中の緊張状態の中で、人は皆自分のことしか考えられなくなってしまう。そしてその自分が楽になりたいという思いから、人は偽りの証言をしてしまう。こうして冤罪事件が起こるのだ。
イエスの逮捕・裁判も、ある意味では冤罪事件だ。 続きを読む »
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2019年04月07日
2019年4月7日(日)
ルカによる福音書20:9-19二人目の孫が誕生しそのお世話のため妻が神戸に行っており、一人暮らしが二週間になる。「さみしくないですか?」と聞かれるのだが、これが案外さみしくない。生活に必要な事柄(炊事・洗濯)に時間を取られるので気が紛れる、というのもあるが、もうひとつ理由がある。同居者(ネコ)がいるからだ。ベタベタにかわいがってくれるご主人(妻)がいなくなって、やたらと私にまとわりついて来る。それに適当に相手したり、蹴っ飛ばしたりしながら何となく気が紛れてゆく。私は長年ネコが嫌いだった。子どもたちが「飼いたい」と言っても決して許可しなかった。しかし妻の策略によって、4年前から同居するようになった。そうやって嫌っていたネコに、今さみしさを紛らわしてもらっている。
人にはニガ手な存在があるが、その「イヤだ」と思っていた存在(先生、先輩、同僚、家族等々)によってかえって養われることがある。自分にとって都合の悪い、「不必要だ」と思っていた関わりがあったことで、むしろ人間の幅のようなものが与えられる経験だ。自分の好きな人とだけ関わり、嫌いな存在とは距離を置く…。そんな生き方は確かに「楽」だろうが、それだけ「薄っぺら」な生き方にもなるのではないか。私たちが豊かに歩むためには、時には「必要ない」と思う存在が、かえって必要なのだ。
イエスの「ぶどう園の農夫のたとえ」の箇所である。 続きを読む »
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