2020年12月のメッセージ
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2020年12月27日
『 もう宝物はいらない 』
2020年12月27日(日)
マタイ福音書2:1-12「コロナ禍」という言葉を使わないようにしている。「禍」とは「わざわい」である。確かにコロナウイルスは人間にとってやっかいな存在だ。しかし毒ヘビや毒キノコと同じように、被造物である自然の一部である。近寄り過ぎないように気を付けながらも、撲滅を目指すのではなく、共存していくことが肝要だと思う。「コロナ禍」とは人間からの勝手な決めつけの言葉ではないか…そんな思いから「コロナ状況」という言い方を用いるようにしている。
コロナウイルスは、際限なく拡大するかに見えた人間の経済活動の流れを止めてしまった。感染による多くの死者、商業活動の縮小により、人類は大きなダメージを受けた。しかし一方で、大気汚染は無くなり、汚れた川の水はきれいに透き通っていった。
「新型コロナウイルスから人類への手紙」という文章がある。コロナとは、強欲により際限なく経済活動を拡大する人類に対して、立ち止まって考えさせるためにやってきたという文章だ。架空の文章である。しかしその問いかけているものは鋭く、重い。
今日は三人の博士の物語である。 続きを読む »
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2020年12月20日
2020年12月20日(日) クリスマス礼拝
マタイ福音書1:18-25高校時代、親友の家に遊びに行った時、同席していた大学生のお兄さんが僕らにジョン・レノンの“Happy X’mas”を聞かせて「これは素晴らしい歌だ。世界で一番のクリスマスソングだ!」と力説していた。当時の私は「確かに悪い曲ではないが、そこまで言うほどか!?」と受けとめていた。ただ「メリー・クリスマス、ハッピー・クリスマス」と繰り返してるだけの曲だと感じたからだ。
その後、歌詞を訳してみて、またジョンがこの歌を作った背景を知って、そのお兄さんの謂わんとするところを理解した。1番はお気楽なクリスマスソングだが、2番の歌詞では格差問題、人種問題、戦争と平和の問題が歌われていた。そしてその背後に“War is over, if you want it(あなたが望めば戦争は終わる)”といったコーラスが繰り返されていた。
発表当時、アメリカはベトナム戦争の末期。ジョンはこの歌を通して、平和へのメッセージを発していたのだ。「クリスマスは誰もがハッピーな気分になる…でも浮かれ切ってしまわずに、現実の問題に目を向けよう」ジョン・レノンはそんなことを問いかけているように思う。
イエス・キリストの誕生物語にも、私たちがクリスマスに対して抱く「ハッピーさ」とは異質の、ひとつの問題が横たわっている。 続きを読む »
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2020年12月13日
2020年12月13日(日)
ルカによる福音書1:26-37「天啓」というものを受けたことがあるだろうか。自分の中から出てきたというより、外からやって来て、自分の心をゆり動かし、ある行動・方向へと突き動かしてくれるような「声」である。「どうしてあの時あんな行動をとったのだろう?」とあとでふり返る行為、特に人生の岐路や大事な選択に際してそう思うことがある。その時私たちは「天啓」を受けていると言えるのではないか。
村上春樹は神宮球場で野球を見ていた時に「小説を書こう」と思いを定めたという。「その時空から何かが静かに舞い降りて来て、僕はそれを確かに受け取ったのだった。」まさに「天啓」である。
大作家と比べるのは畏れ多いが、私も自分の人生の岐路において、同じような経験がある。 続きを読む »
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2020年12月06日
2020年12月6日(日)
マタイ13:53-58人がその人格を形成していくとき、何が大きな要因になっているだろうか。いろんな要素が考えられるが、その人がどんな仕事(職業)についているかというのが、結構大きな影響があるのではないかと思う。マルクスは「労働や階級が自己意識を決定する」と言った。確かに漁師、農夫、教師、銀行員、法曹関係者など、その仕事に見合った人間性というものがある。
ふと、イエスはその人格をどこで培われたのだろうか?と考えた。それは、大工であった父・ヨセフの仕事を手伝いながらだったのではないだろうか。母マリアと違い、父ヨセフは誕生物語以外には登場しない。恐らく早くに亡くなって、その後イエスが大工の仕事を引き継いでいたのではないかと思う。
「大工」といっても大きな土木仕事ではなく、他人の家の修理や家具の修復のために、それぞれの家を訪ねて、その中でする仕事だったと思われる。世間話をしたり、律法学者への愚痴を聞いたり、庶民の貧しくも慎ましい生活の本音を聞きながらの仕事の日々。イエスのあの温かな人格、いつくしみ深い優しさ、悩める者を愛おしみ、権威を振りかざす人には厳しく迫る…その感性や人格は、「象牙の塔」のような学者の研究室ではなく、庶民の日常の暮らしの中で培われていったものなのではないだろうか。 続きを読む »
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