2018年12月16日(日)(CS合同礼拝)
マタイによる福音書2:1-11
ユダヤの地にお生まれになったイエスさまに会うために、東の国から星の学者たちが旅をしてきました。不思議な星に導かれ、「新しい王さま」として生まれた幼な子に会いたいと思ってやってきたのです。
学者たちがそのことを最初に尋ねたのは、当時のユダヤの王ヘロデに対してでした。これは「痛恨の出来事」でした。なぜなら学者たちの言葉に不安を覚えたヘロデは、その「新しい王さま」を赤ん坊のうちに殺してしまおうと思ったからです。自分の王としての位をおびやかす新しいヒーローの出現を、ヘロデは決して喜ぶことはありませんでした。しかし学者たちにはその本心を隠し、「幼な子が見つかったら場所を教えてくれ。私も拝みに行くから」と言いました。
学者はその後も旅を続け、そしてベツレヘムでついに幼な子イエスさまに出会いました。そして黄金・乳香・没薬といった高価な財産を、惜しげもなくイエスさまに献げました。しかしその後神の使いのお告げを受けて、ヘロデのところに戻らずに自分の国へ帰ってしまいました。
学者たちが約束を守らなかったことを知ったヘロデは逆上し、ベツレヘムとその周辺の地域に住む2歳以下の男の子を皆殺しにする命令を出しました。こうして何の罪もない子どもたちが殺されてしまったのです。
この物語をベースにして作られた有名な映画があります。アーノルド・シュワルツネガー主演の『ターミネーター』。機械文明が支配する未来の時代で、後に「救世主」として活躍する少年。その存在を消すために未来から派遣されてきた殺し屋が「ターミネーター」です。少年がまだ生まれる前、お母さんのお腹の中にいる時点で殺してしまおうという計画です。この救世主の少年の名前は「ジョン・コフィー」、イニシャルはイエスさまと同じ「J.C.」です。
ヘロデ王が幼な子を虐殺した時、「激しく嘆き悲しむ声が聞こえた」と聖書には記されます。そのような叫び声を上げさせるのが「立派な王さま」の働きでしょうか?そうではありません。ひとりひとりの笑顔を作り出し、「生きていてよかった」という思いを抱かせてくれるのが本当の立派な王さまです。
イエスさまの冠は金ぴかに光り威厳を示す冠ではありません。それは茨の冠、多くの人の救いのために自分のいのちをささげる生涯のしるしです。戦いに勝つ力ではなく、愛することで世界に平和をもたらす方。それが私たちの本当の「新しい王さま」なのです。
クリスマスはその「本当の新しい王さま」としてイエスさまがお生まれになったことを喜ぶ日です。私たちも愛する心を大切に育てながら、その王さまの誕生を今年も喜び迎えましょう。
♪新しい王さま (作詞・作曲/柾野武張)
新しい王さまが きょう生まれました
新しい世界を 治められる王さまです
戦いではなく 愛することで
世界に平和を もたらす方
新しい王さまが きょう生まれました
新しい世界を 治められる王さまです