2024年11月24日(日) CS合同収穫感謝礼拝
使徒言行録2:43-47
今日の聖書箇所はペンテコステの後、信じる人々が集まってできた教会の、最初の姿を伝えるものです。みんなが自分の持ち物を持ち寄って、みんなで必要に応じて分け合っていたというのです。ご飯も一緒に食べていたことでしょう。イエスさまを信じる心が、自然とそのような行動を生み出していったのでしょうね。
収穫感謝礼拝の始まりは、アメリカの感謝祭(Thanks Giving Day)とされています。最初の感謝祭、そこにはちょっと痛ましい歴史が関わっています。
16世紀のヨーロッパで、イエスさまを信じる信じ方の違いにより迫害を受けていた人たちがいました。「ピューリタン(Pu)」といいます。各地で迫害を受けていた彼らは、逃れるためにアメリカに渡る決意をします。その頃のアメリカにはまだヨーロッパの人は住んでいなかったのです。
途中の航海は厳しく、何人もの人が亡くなりました。やっと新大陸に辿りついたものの、季節は秋から冬に向かう時期で、食べるものも住む家もなく、途方に暮れてしまいました。「このまま飢え死に・凍え死にするしかないんだろうか…」 そんな彼らに助けの手を差し伸べてくれた人たちがいました。アメリカ先住民・ネイティブアメリカン(NA)の人たちです。アメリカの自然と共に生きる、Puとは違う暮らし方をしていた人たちです。
NAはPuに食べ物を分けてくれ、家を建てるのを手伝ってくれました。そのおかげて何とか冬を乗り越えることができました。春になると穀物や野菜の種を分けてくれ、畑を耕し作物の育て方を教えてくれました。Puたちは一所懸命働いて、その年の秋にはたくさんの収穫を得ることができました。
Puたちは神さまに収穫を感謝する礼拝をささげ、パーティを開きました。そのパーティに、NAの人たちを招待したのです。申命記に記された「(収穫を)寄留者たちと共に喜びなさい」という聖書の箇所を読みながら。家族や仲間だけではなく、異なる人たちとも一緒に食事をしたのです。これが感謝祭の始まりです。
ところがその後の歴史の中で、たくさんのヨーロッパ人がアメリカに押し寄せ、武器を用いてNAたちから土地を奪うような時代がありました。最初の年、Puたちを助けてくれた人たちなのに…。わかちあう心を失い、欲望に目がくらんでしまったのです。とても悲しいですね。
感謝祭に必要な心は何でしょう?「平和」という漢字から考えてみたいと思います。「平」という字はみんなが平等に暮らす状態を表すそうです(みんなにこにこ)。「和」という字は口にお米を頬張る様子を表すそうです(ごはんもぐもぐ)。みんなが食べ物を分け合って、にこにこして暮らす状態、それが「平和」なのです。
感謝祭に必要な心、それは「分かち合う心」です。
♪だいじなこの収穫は
分かち合っていただくもの
空を独り占めできないように
みんなのものだよ食べ物は
分かち合いましょう、
感謝のこころで♪
(こどもさんびか102)