「あなたがたがやりなさい」

2025年8月31日(日)
マルコ6:35-44

今日は“カラコン”、これからの前橋教会について語り合う懇談会の4回目である。来年迎える創立140周年の記念行事について話し合い、よいアイディアが出ることを期待している。

昨年、教会が2年後に創立140周年を迎えるのを意識しながら始めた二つの取り組みがある。ひとつはこのカラコン。礼拝前後の相互交流と、礼拝後のテーマを設けての話し合いのプログラムだ。

もうひとつは“教会源10(キョウカイゲンテン)”=「前橋教会の源流をたどる10分間のつどい」。前橋教会のルーツである組合教会(会衆主義教会)、その歴史と特質を再確認するための学習会である。この二つの取り組みは一つのテーマにつながる。組合教会・会衆主義教会とは文字通り「会衆(信徒)の教会」であるということだ。

本井康博先生を迎えての講演会(5/25)で言われたのは、カトリックやメソジストのように教皇・主教が権限を持つのでなく、改革派・長老派のように教区(中会)が権限を持つのでもなくて、各教会の自治・自由を認め互いに干渉しないのが会衆派教会の特質ということだ。「トップダウンではなくボトムアップ、平等主義のフェローシップ(友情)、それが組合教会です」(本井)。

明治期に一致教会(長老派)と組合教会が合同する計画を立てていた時に、新島襄はこれに反対した。「寡頭主義(エリート主義)」に支配されるのを恐れてということであった。事を効率的にコスパよく進めるには、寡頭主義の方が都合がよい。しかし効率が悪くても、皆が同じ地平で意見を述べ合い擦り合わせていく. . .新島はそんな平等主義を大切にしようとした。

10年前の創立130周年の時、たった2年の準備期間しかなかったが、いろんな行事を計画した。今振り返って、それらの行事の「言い出しっぺ」は、牧師(私)であることが多かった。私にはどうもそういう傾向があるが、それは「トップダウン」であり、会衆主義ではないなーという反省が残った。迎える140周年ではぜひボトムアップにより計画を進めていければと思っている。

今日の聖書箇所は「五千人の共食」である。人里離れた場所なので弟子たちは群衆を解散させ、各自で食物を調達させようとする。しかしイエスは「あなたがたが食べ物を与えなさい」と言われた。やっと探し当てた二匹の魚と五つのパンを差し出すと、イエスはそれを分け始め、皆が満腹になった。「五千人共食の奇跡」である。

弟子たちは「私たちには無理だ」と思った。しかしイエスは「あなたがたがやりなさい」と言われる。しかしそれは「私は知らん!」と放り投げるような命令ではない。このあとイエスは自身の力と弟子たちの手を用いて奇跡を起こされる。五千人共食の奇跡はイエスひとりでなされたものではないのだ。

ひとりひとりは小さな力しか持たない弟子たち(私たち)。しかしイエスは「そんなあなたの力が必要だ」と期待を込めて呼びかけられる。その呼びかけに、私たちも応えたい。