『 人を生かすもの 』(齋藤眞理子さん)

2016年2月14日(日)
マタイによる福音書4:1-11(CS合同礼拝)

コアラの赤ちゃんの食べるものって、何だか知ってますか?実はコアラの赤ちゃんはお母さんのうんちを食べてるんです。ユーカリの葉っぱに含まれる油が赤ちゃんには毒になるので、お母さんが消化してそのうんちを食べているんです。びっくりですね。

人間の赤ちゃんも大人と同じ食べ物は食べません。お乳、ミルク、離乳食…そういったものを大人が食べさせてくれる。それで生きていくことができる、成長していくことができるんです。食べ物はとても大切です。なければ生きていけない。食べることは「生きること」なのです。

イエスさまが神さまの言葉を伝える働きに入る前に、荒野で40日の断食の修行をされました。その時サタンが現れて、イエスさまに言いました。「神の子なら、その石をパンに変えてみたらどうだ。」イエスさまはどうされたでしょう?

「人はパンだけで生きるのではなく、神さまの口から出る言葉で生きるのだ」と言われました。イエスさまは「食べ物よりも大切なものがある。それは神さまの言葉によって生かされることだ。」と言われたのです。

不思議なことを言われますね。お腹がすいたときにいくら神さまの言葉を聞かされても、お腹はいっぱいにはなりません。でも、神さまの言葉を聞くと、心が暖かくなることがあります。やさしい気持ちや感謝の思いが湧いてくることがあります。そうやって心を満たされることが「神の言葉によって生きる」ということです。

「食べ物」「神さまの言葉」に加えて、もうひとつ大切なことがあります。それは「つながり」です。食べ物は、誰かによって支えられて、わたしたちの手元までやってきます。農家の人、運ぶ人、料理する人、雨や太陽をくださる神さま… その「つながり」が一つでもなくなれば、食べる物は手に入りません。「つながり」は大切です。

友だちや人間同士のつながりは見えますね。でも神さまとのつながりは目で見ることができません。どうしたら神さまにつながっていられるの?と心配する人がいるかも知れません。でも大丈夫、安心して下さい。神さまは、人と人とがつながる、その間にいて下さいます。そのことを教えてくれたのがイエスさまです。イエスさまとつながっていれば、神さまともつながっていられるのです。