『 こどもを招くイエスさま 』

2018年6月10日(日) 花の日・こどもの日CS合同礼拝
マルコによる福音書10:13-16

ある日みんなが集まってイエスさまのお話を聞いていたところに、子どもたちを連れてきた人たちがいました。イエスさまに祝福してもらおうと思ったのです。ところがお弟子さんたちは子どもたちを追い払おうとしました。「こどもにはイエスさまのお話は理解できない。それに子どもはうるさい。」そんな風に考えたのかも知れませんね。

ところがイエスさまは弟子たちを叱りました。「子どもたちを私のところに来させなさい。邪魔してはいけない!」そして子どもたちを抱き上げ、頭に手を置いて祝福されました。今日はそのイエスさまの出来事にちなみ、私たちの教会でも「子ども祝福式」を行ないます。(ここで、ひとりひとりの頭に手を置き、それぞれの名前を呼んで祝福。続いて「平和のあいさつ」)

こんな風にイエスさまは子どもを招かれました。イエスさまは子どもが大好きだったのです。でもそれだけではありません。「子どものようにならなければ、神の国に入ることはできない」とも言われました。神の国の住人となるために、子どもに学びなさい、ということです。

「子どもはすごいよ!」とイエスさまは言っておられるのです。何がすごいのでしょう?実は大人よりも子どもの方がすごいことがあるのです。そのことを教えてくれる、みんなのよく知ってる童話があります。それはアンデルセンの「はだかの王さま」です。

「賢い人には見えるけど、愚か者には見えない布で服を作りましょう…」そんな風に言われて、王さまは「おぉ、何と素晴らしい布じゃ!」と言いました。本当は何も見えないのに「愚かものだ」と言われるのがイヤで、ウソをついたのです。他の大人たちも王さまに逆らわないように、あれこれ考えて本当じゃないことを言ったりやったりしてしまいました。こういう行動のことを「忖度(そんたく)」と言います。

でも子どもは忖度なんかしません。見たまま、感じたまま語ります。「おかしいよ。変だよ。王さまは裸だよ!」。そんなまっすぐな気持ちが大切なんだよ、とこの童話は教えてくれます。イエスさまが「子どもに学びなさい」と言われたのは、この「まっすぐな気持ち」のことです。

イエスさまのもとにたくさんの人が集まって、みんなお腹がすいて困った時、自分の持っていた2匹の魚と5つのパンを差し出した男の子のお話もあります。そんな素直な心をイエスさまは喜ばれるのです。

たくさん勉強や体験をして、大きく成長することも大切です。でも、大人になってずるいことばかりを覚えるのではなく、素直な心を忘れずに、イエスさまの招きに応えてゆきましょう。