『 えらいひとになりたい? 』

2019年5月26日(日)
(花の日・こどもの日 CS合同礼拝)
マルコによる福音書9:33-37

最初にこどもさんびか「この花のように」を手話で歌いましょう。(練習)手話は耳の聞こえない人のための言葉です。英語では“Sign Language”といいます。歌のメロディは聴こえなくても、意味を手話で共に表すことで一緒に歌うことができるのです。

大阪の強力翔(ごうりき・かける)さんは“サイン・シンガー”、手話による歌でコンサート活動をしている人です。元々「ゆず」にあこがれてバンド活動をしていたのですが、TVドラマ「オレンジ・デイズ」で、主演の柴崎コウさんが耳が聞こえず手話で話している人の役をやっているのを見て、自分も手話による歌でメッセージを届けたいと志すようになったそうです。

強力さん自身は耳は聴こえますが、耳の聞こえない人も一緒にコンサートを楽しみたい、ということで活動を続けておられます。自分の好きなことをする、でもそれだけでなく、人のお役に立てることもしたい、そんな気持ちを持って今日も活動しておられます。その強力さんが、6月2日・前橋市『きしん』でライブコンサートを行われます。前座をつとめる中のひとりに、川上 盾さんという人がいます。(笑)

ある時、イエスさまのお弟子さんたちが言い争いをしていました。「この中で、誰が一番偉いか?」ということについて話していたのです。きっと「私が偉い!」「いや私が!」と言い争っていたのでしょう。

「えらいひと」って、どんな人だと思いますか?お金をたくさん持ってるひと?みんなの上に立って威張ってるひと?たくさんのことを知っていて、みんなに教えたり命令したりするひと?どんな人が「えらいひと」なのでしょう?

「誰が一番えらいのか?」と言い争っていた弟子たちに、イエスさまは言われました。「いちばん先になりたい人は、すべての人に仕える者となりなさい。」別のところではこうも言っておられます。「あなたがたの間では支配者や偉い人たちが権力をふるっている。しかしあなたがたの中で偉くなりたい人は皆に仕える者・すべての人の僕となりなさい。」(マルコ10:42-43)

「えらいてんちょう」(本名・矢内東紀)さんという人が、「しょぼい起業で生きていく」という本を書きました。大学を卒業したけど会社に就職するのではなくて、「しょぼい」企業(リサイクルショップ、学習塾、バー等々)をして働いている人です。その仕事をやりながら、「生活保護申請ボランティア」も続けておられます。貧しい人のために役に立つ働きです。矢内さん自身も自分の家が貧しくて苦労したので、そういった人たちを支える志を持ち、それを実行しておられます。

強力さんも、「えらいてんちょう」さんも、決して大金持ちではありません。偉そうに威張る人でもありません。たくさんのことを勉強し知識も豊富な学者さんでもありません。でも彼らは「えらいひと」だと思います。小さなことでも人のお役に立てる、そんな働きを喜んで担えるひとこそ、「えらいひと」なのです。