『分かち合い食べるごはん』

2023年11月26日(収穫感謝CS合同礼拝)
ルカ19:1-10

いま歌った“わたしたちの食べるもの”(こどもさんびか102)は、僕が作った歌です。1番の歌詞には神さまへの感謝、2番には農家の方々への感謝の思いを込めています。

3番は「収穫はみんなで分かち合うもの」というメッセージです。この歌詞には元ネタがあります。韓国の詩人・金芝河(キム・ジハ)の「飯は天」という詩です。「飯が天です/天を独りでは支えられぬように/飯はたがいに分かち合って食べるもの」。

イエスさまは神さまの愛を伝えるために、旅を続けられました。言葉で伝えるだけでなく、いろんな人と一緒にご飯を食べられました。他の人たちが一緒に食事をする時に「あなたはOK、お前はダメ!」と分け隔てをしていたのに対して、イエスさまは誰とでも一緒に食卓を囲まれました。「ご飯は分かち合って食べると豊かに満たされる」それがイエスさまの食卓でした。

ザアカイはみんなから嫌われていました。ローマ帝国の税金を取る徴税人だったからです。また背が低いことでみんなからバカにされてもいました。でもザアカイは「こんな仕打ちに負けるもんか!」とかえって意固地になり、威張りまくって税金を集めていました。ある意味、タフな性格だとも言えますね。でもその心の中は、とても淋しかっただろうと思います。

ある日イエスさまが来られるとの噂を聞き、姿を見ようと出かけました。どんな人にも慰めと生きる力を与えられたイエスさまの噂を聞いて、ぜひ会いたいと思ったのです。ところが、街に行ってみると道は人でいっぱいで、人垣にさえぎられて見えませんでした。そこでザアカイは木に登ってイエスさまの姿を見ようとしました。すると木の下に来たイエスさまが上を見上げて「ザアカイ、降りてきなさい。今日はあなたの家に泊まるから」と言われました。

みんなから相手にされなかった自分のことをイエスさまは受け入れて下さった!…喜びに満たされたザアカイは、イエスさまを迎えて、たくさんのご馳走でもてなしました。

周りの人々は「あんな罪人と…」と冷たい目線。でもザアカイは喜んで言いました。「私は財産の半分を貧しい人に施します。また余分に集めていたお金は4倍にして返します」。イエスさまは「今日、救いがこの家に来た」と言われました。

「負けるもんか!」と意固地になっていたザアカイのかたくなな心は、共に生きる喜びへと変えられていったのです。これが「救い」です。そしてそれは「分かち合う食卓」から生まれたものなのです。

“飯が天です
あぁ飯は
みんながたがいにわかち、食べるもの”