2024年12月22日(日) クリスマス礼拝
イザヤ7:10-14, マタイ1:18-23
本日のクリスマス礼拝で、二人の高校生の洗礼式が行われる。新たな教会の仲間が加えられることを心から感謝し歓迎したい。そんな二人と、そしてこの礼拝に臨む私たちは、聖書の語る究極のメッセージを分かち合いたい。それは「インマヌエル ― 神われらと共に」ということである。
旧約聖書イザヤ書７章は、B.C.700年ごろアッシリアという新興大国に侵略・占領されようとしている危機の中で語られた、「救いのしるし」を指し示す言葉である。それは「インマヌエル」と呼ばれるひとりの男の子の誕生である。
この預言の言葉は、しかしすぐには実現しなかった。人々は何十年・何百年もその男の子、すなわち救い主の誕生を待ち続けた。その預言が現実となったことを伝えるのが新約・マタイ１章の言葉である。それがマリアとヨセフとの間に生まれた幼な子イエスの誕生だ。生まれた幼な子は成長し、「インマヌエル ― どんな時でも神さまが共にいて下さる」と信じる信仰を、人々に伝える働きをするのである。
今日、受洗した二人にはこの「インマヌエル」を聖書からの（キリスト教の）究極のメッセージとしてお伝えしたい。お二人だけでなく、先に洗礼を受け長い信仰生活を歩む先輩信徒たちもまた、このことをくりかえし覚え続けたい。
「神われらと共にいます」とは言っても、何の問題もない人生が約束されるというわけではない。マリアがみごもった時、彼らは「何の問題もない」状況ではなかった。二人はまだ結婚しておらず、むしろそのこと(未婚状態での懐妊)によって大きな問題に直面するような状況であった。
ヨセフはマリアと「密かに縁を切ろうとしていた」と記される。問題が発覚すればマリアは処罰される。そうならない前に離縁して関係を断絶させることによって、マリアを守ろうとしたのかも知れない。
しかしそんなヨセフに主の天使が語りかける。「マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのだ。心配するな」と。そして示されたのが「インマヌエル ― 神われらと共に」という信仰であった。ヨセフはマリアを受け入れる決意をする。私たちの救い主が、そのようにして生まれたのだ。
私たちが喜びや感謝を覚える時、神さまは共にいて下さり、祝福を与えてくれる。共に喜んで下さる。喜びの時だけではない。悲しみの時、つらい思いを抱える時、神さまは共にいて下さり、慰めて下さる、痛みを分かち合って下さる。私たちが絶望の沼に沈み込み、「もう誰も手を差し伸べてくれない」と嘆く時も、「インマヌエル」、神さまは孤独の中に佇むあなたをちゃんと見ていて下さる、愛していて下さる。そんな眼差しを信じよう。クリスマスはそんな神の愛が届けられた日なのだ。
♪ Every breath you take / 川村結花 ♪
あなたの前に横たわる
悲しみを敷き詰めた昨日は
あなたにしか 一人でしか
越えられないけど
流せなかった涙ごと
放り出せない荷物ごと
わたしが愛するから
あなたを愛するから いつも…