「心の弦を響かせよう 」

2025年3月30日(日)
詩編150

昨日(3/29)と本日、永山友美子さんのすばらしいメッセージとハープの演奏に、こころ打たれ満たされた。「愛とやさしさで人は育つ」との永山さんのメッセージを大切に胸に抱いて、これからも歩んで行こう。

人類は太古から様々な楽器を作り出し、音楽を奏でてきた。人類の生み出した楽器は、大きく分けると3種類である。

①タイコ・打楽器/物と物とぶつけることによって出る音を利用した楽器。ドラムや和太鼓、カスタネット…木琴や鉄琴も打楽器の一種である。②笛・ラッパ/空気が狭い所を通る時に出す音を使用した楽器。フルート、篠笛、トランペット…私たちの教会の大切なパイプオルガンも笛の一種である。③ハープ・ギターなどの弦楽器/弓を弾く音を利用した楽器。弾くだけでなく擦る音も利用した(ヴァイオリン、胡弓など)。ピアノも弦楽器、より正確に言うと「打弦楽器」である。

このうち、人間の体に備わっている楽器は、①と②である。①は手拍子やボディドラム、②は口笛、それに人間の声も空気による振動である。この二つを使ってすぐに歌える有名な曲がある。やってみよう。「ドン、ドン、パッ/ドン、ドン、パッ」「We will, we will, rock you!」(Queenの“We will rock you”実演)

人間の体に備わっていない楽器は、弦楽器である。自分の身体を使って、人間は弦楽器のような音を出すことはできない。しかし音は出ないけれども、私たちは“弦”を持っている。身体の中に、豊かに響く“弦”を、神さまから与えられていると思うのだ。それは「心の弦」である。

“Heart strings”という言葉がある。心の中にある糸=弦を表す言葉だ。日本語にも「心の琴線に触れる」という言葉がある。この弦は、自ら音を生み出すことはできない。しかし人が奏でるメロディを聴いて、それを響かせることはできる。素晴らしい音楽や心を打つメッセージ、それらを受けとめて感動と共に心の弦を響かせることができるのだ。

この弦を響かせるのに、特別な練習は必要ない。技量や知識もいらない。ただ心を開けばいい、人を・世界を信頼することができればいいのだ。

もちろん人生には辛いこと、苦しいこともある。信頼しても裏切られる悔しい思いをすることもある。そんな経験を重ねると、心を開きにくくなり、閉じこもってしまう。そうすると心の弦は響かなくなる。

けれども私たちに命を下さった神さまは、私たちが心を閉ざして生きることを望んではおられない。「互いを信頼して、心の弦を響かせ合って生きる方が豊かだよ」そんな風に見ていて下さるのだ。そして、そのようにして心響かせ「しあわせになるために生まれて来たんだよ…」そのことを教えてくれたのがイエス・キリストだ。

詩編150篇、「角笛を吹いて、琴と竪琴を奏でて、太鼓に合わせ踊りながら、神を賛美せよ」…この招きを受けて、手を叩き声を合わせ、そして心の弦を響かせ合って、神さまを賛美する/共に生きる…そんな豊かさをこれからも求めていこう。