2020年11月のメッセージ
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2020年11月29日
2020年11月29日(日)
イザヤ2:1-5,ローマ13:8-14洗礼を受け、クリスチャンになることを「救われた」と表現する人たちがいる。このような表現が慣用句になっている教派もある。「私が救われたのは、悩み多き20代の頃でした。」― これは「私が洗礼を受けたのは20代だった」という意味である。イエス・キリストを信じることによって人生の喜びを知り、罪の赦しを実感したことを「救われる」と受けとめておられるのであろう。その心情を否定するものではない。
しかしそれをひっくり返した表現で、洗礼を受けていないことを「救われていない」という言い方をする人がいる。「ウチの主人のためにずっと祈っているのだけど、まだ主人は救われていないんです」「わが家の息子はCSにも通ってたのに、まだ救われていないんです」…こういう表現を聞くと「その言い方は何とかならんかなー」と思ってしまう。その人が意見を言えるような関係の人であったら、ついこんな風に返してしまう。「それは『救われていない』のではなくて、『救われていることに気付いていない』だけなのではないですか」と。 続きを読む »
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2020年11月22日
2020年11月22日(日)
ミカ2:12-13,マタイ25:31-40毎年行なっていた収穫感謝CS合同礼拝が、コロナ状況により今年はできない。幼な子からお年寄りまで一堂に会する交流の時が持てないことは残念で仕方ない。その収穫感謝日は、教会暦における一年の最後の主日でもある。アドヴェントから教会暦は新しくなる。
今日の聖書箇所は、旧約も新約も終末に関する内容である。キリスト教の歴史観は、天地創造の初めから、終末の最後の審判に至る一直線の時の流れである。「終末論」というと何かおどろおどろしいものを感じる向きもあろうが、大切なのは「終わりを見つめて生きる」ということであろう。「今この時」の状況がいつまでも永遠に続くのではなく、必ず終わりが来る ― その時に及んでジタバタしないように、いつその時が来てもいいように備えて生きる…それが終末信仰である。
「世界の終わり」というと気宇壮大だが、ひとりひとりの人生に置き換えれば、「終わり」は誰にでも訪れる。すべての人に等しく訪れる死の時。その時に至るまでの日々を「二度とやってこない貴重な日々」ととらえ、その一瞬を大切に生きる…その積み重ねが「終わりに備えて生きる」ということである。 続きを読む »
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2020年11月15日
2020年11月15日(日)
申命記18:15-22,使徒言行録3:22-26誰でも自分に批判的な人は苦手なものだ。しかしその批判が的外れなものではなく、まっとうな指摘であるならば、その存在は、自分自身の成長のために必要な隣人だとも言える。その声に耳を傾けることができるかどうかに、人間としての成熟度が関わってくる。
「まっとうな批判者」。そのような役割を聖書の世界で担ったのが、預言者たちである。今日の聖書箇所は旧新約ともその預言者に関する内容である。
旧約はモーセがイスラエルの民に向けて語った言葉である。ここでモーセは「わたしのような預言者」と語る。確かにモーセは神の言葉を「預かって」人々に語っている。その意味で彼は最初の預言者と言えるかも知れない。 続きを読む »
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2020年11月08日
2020年11月8日(日)
創世記13:5-9,ガラテヤ3:7-14「あなたもわたしもアブラハムのこども」― そんな考え方がキリスト教にはある。アブラハムとは創世記に登場するイスラエルの父祖、神の召命を受け、その言葉を信じて旅立った人物である。その信仰ゆえに神はアブラハムとその子孫への祝福を約束された。ここに契約の民・イスラエルが誕生する。
アブラハム物語は、私たちと同じ生身の人間が、神を信じて旅を続ける中で成長する物語である。今日の旧約の箇所では、一緒に旅をしてきた甥のロトと別れるのに際して、どの道を進むか、その取捨選択の権利を譲る場面である。「究極の場面で『お先にどうぞ』と言えることが倫理的な振る舞い」(内田樹)― ここにアブラハムの人間としての成長を見る。
「自分たちはそのアブラハムのこどもなのだ!」そのような強い自負心を持って歩んできたのがユダヤ人の歴史である。「神に選ばれた民・イスラエル」その選民意識がどんな苦難の中でも彼らを支えた。
しかしその選民意識も、イエスの時代には「上から目線」の優越感と結びつき、いびつなものとなってしまっていた。 続きを読む »
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