2020年08月のメッセージ
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2020年08月30日
2020年8月30日(日)
ヨハネ福音書8:3-11いろんな思いを抱かせられる箇所である。「姦淫の罪」であるのに、連れてこられたのは女性ひとりであったということ。律法学者たちの目的はイエスを貶めることであり、この女性はそのための「道具」として利用されているに過ぎないということ…。どちらも大切なポイントだが、今日はそこには触れない。
今日考えたいテーマは「誰が人を裁けるのか?」ということ、そして「罪の赦しとは何か?」ということである。
「罪の赦し」はイエス・キリストの、そしてキリスト教の大切な福音の柱である。しかしそれ以前のユダヤ教で軽んじられていたかというと、そうではない。礼拝の儀式でいけにえがささげられていたのは、罪の赦しを得るためであった。それは信仰の最重要課題だったのだ。 続きを読む »
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2020年08月23日
2020年8月23日(日)
Ⅰコリント3:4-9キリスト教は「人はみな罪人」という人間理解に立つ。性悪説である。牧師の息子として生まれた子ども時代、すぐに人を罪人扱いする決めつけがイヤでたまらなかった。しかし、では「お前は罪人ではないのか」と言われると、まったく違う。自分の中に醜い思いが満ち満ちているのを認めざるを得ない。そんな自分の姿を知っておくことが大切だと次第に気付くようになった。
パウロはコリントの人々のことを「肉の人」と呼んでいる。「霊の人」に対置する呼称で、いくらかの非難が込められている。それはコリント教会に、教会の内部対立という大きな問題があったからだ。
コリントの教会はパウロによって作られた教会だが、パウロはずっと駐在していたわけではない。地球海沿岸を宣教して歩いたパウロ、その不在の間は別の指導者(アポロ、ケファ=ペトロ等々)が交代で指導していた。その指導者への信頼度や好感度によって、教会内に分派ができ互いに争うようになっていた。その問題を解決するために書かれたのが「コリントの信徒への手紙」である。 続きを読む »
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2020年08月16日
2020年8月16日(日)
士師記6:36-40、Ⅰヨハネ5:1-5ヨハネ文書は「世に対する勝利」のモチーフをよく語る。現実の苦難や試練にも関わらず、イエスを信じる者には信仰による勝利が与えられるというのだ。それはいったいどんなものなのだろうか。
「やられたら、やりかえす。倍返しだ!」のセリフが有名なTVドラマが再開された。悪がのさばる状況の中で、正しい道を歩む者が最後にどんでん返しの勝利をつかむ。人間はそういうストーリーに快哉を叫ぶ。「仇討ちもの」の芝居が受けるのも似た心理によるものだ。しかし最後に報復するのであれば、それはキリストの勝利ではない。
今日の旧約は、神の力を受けて、300人の少数精鋭で10万人の敵を討ち破った英雄・ギデオンの物語。いわゆる「聖戦」のイメージである。神の力を受け敵を打ち倒す。それが「信仰による勝利」だろうか?士師記の時代の人なら「その通りだ!」と答えたかも知れない。しかしイエス・キリストは「どんなに聖なる戦いでも、最後に相手を打ち滅ぼすならば、それは本当の勝利とは言えない」と言われるだろう。
「やられたら、やり返せ」でもない。「神の力を用いて敵を倒し滅ぼす」でもない。では「信仰による勝利」とは、どんなものなのだろうか。 続きを読む »
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2020年08月09日
2020年8月9日(日)
Ⅰコリント11:23-29パウロが主の晩餐、すなわち聖餐式について述べた箇所である。パウロは「ふさわしくないままで主のパンを食べ杯を飲んではならない」と記している。この箇所を根拠に、キリスト教では聖餐式に陪餐できるのは洗礼を受けた信徒だけ」という、クローズの形式を伝統的に受け継いできた。
クローズ聖餐の根拠はもう一つある。初代教会の時代に重要視された『十二使徒の教訓(ディダケー)』という文書の中に、こんな言葉がある。「主の名によってバプテスマ・洗礼を受けた者以外は、誰もあなた方の聖餐から食べたり飲んだりしてはならない。これについて、主は『神聖なものを犬に与えるな』と言われたからである。」ここには明確に聖餐式のクローズの指示が記されている。
しかしパウロの記す「ふさわしくないままで」というのは、本当にクローズの根拠となる言葉なのだろうか?文脈をよく読むと、そうではないことが分かる。 続きを読む »
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2020年08月02日
2020年8月2日(日) 平和主日
エフェソ2:14-22「キリストはわたしたちの平和です」とパウロは語る。それは「ご自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、十字架によって敵意を滅ぼされたからだ」というのである。ここには「平和」の対立概念として「敵意」という言葉が挙げられる。今日はその敵意とは何か?ということについて考えてみたい。
新型コロナウイルスによる状況の中、現代世界の超大国であるアメリカと中国との間に敵意が芽生えている。国際政治学者グレアム・アリソンによると、過去500年の間に№1と№2の覇権争いが16事例あり、そのうち12で戦争になっているという。その理由は、覇権国家が新興勢力に対して覚える不安と恐怖によるというのだ。
16の内12は戦争になった。ということはならなかった4つの事例がある。その4つに学ばなければならない、とアリソンは言う。 続きを読む »
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