2022年04月のメッセージ
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2022年04月24日
2022年4月24日(日)
詩編126編コロナウイルス感染が始まったばかりの2年前、教会の年間標語として掲げたのは「いつか笑える日が来ると信じて」というものだった。未知の病気の蔓延で世界中でバタバタと人が亡くなっていっている…恐れと不安で心が締め付けられるような中で、「いま泣いている人は幸いだ。笑うようになるからだ」というイエスの言葉にすがるようにして絞り出した言葉だった。今振り返ると、この言葉には当時の悲壮感が込められていたと感じる。
それから2年がたち、状況はずい分変わってきている。病気を完全に克服できたわけではないが、感染者の数値に右往左往することはなくなった。油断は禁物だが、この病気との向き合い方がだいぶ分かってきたからだろう。私たちの社会は、非日常からゆるやかに日常に向かって進んでいる。
今年度の教会の標語は、詩編126編に基づき「共に夢を見て、共に笑おう」とした。この詩編は、バビロン捕囚から解放され、シオン(エルサレム)への帰還の途上にある人々の状況が反映されているものだと言われている。 続きを読む »
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2022年04月17日
2022年4月17日(日)イースター
マルコ16:1-8, Ⅱコリント4:7-14キリスト教信仰の真髄、それは復活信仰である。イエスの十字架の死は、弟子たち・信じる人たちにとって絶望のどん底に落とされるような出来事だった。「もうだめだ、おしまいだ…」しかしその絶望の中から、神は新しいことを始められる…それがイースターのメッセージである。女性たちが墓を訪れた時見たのは、イエスの遺体ではなく、空っぽの墓だった。それは新たな物語の始まりなのである。
昨年放映された朝の連続ドラマ『エール』で、薬師丸ひろ子が「うるわしの白百合」を歌うシーンがあった。太平洋戦争終了後、丸焼けになった自宅を訪れた場面、最初は陰鬱な表情で歌い始めた光子(薬師丸)だが、歌う中で顔に生気が戻り、歌い終える頃には希望に向かっていた。復活信仰が人間を再生させることを映し出す、見事なシーンであった。
復活の信仰を抱いたからといって、すぐに問題が解決するわけではない。焼け跡の瓦礫を、自分たちで一つずつ拾い上げていかなかければならない。しかしそのただ中を生きる人の心を、「もうだめだ、おしまいだ!」という絶望から、「まだ終わりではない、ここから新しく始まるんだ」…そんな思いへと導いてくれるのが復活信仰である。 続きを読む »
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2022年04月10日
2022年4月10日(日)棕櫚の主日
マルコ14:32-42♪「わたしたちの罪のため、十字架にかかった主イエスさま(旧こどもさんびか38)」という歌がある。私は子どもの頃、このことがよく分からなかった。「2000年前の人たちがやったんやろ?僕のせいやない!」と思っていた。確かに実際の下手人は2000年前の人たちだ。しかし自分がイエスをとりまく状況にいたら、自分もまたイエスを十字架にかけようとしたひとりだったかも知れない…そのような思いでふり返ることが重要だと思う。
自分のメンツを保つために対立するイエスを憎む律法学者の心、勝手にイエスに期待し、期待外れと知ると「十字架につけよ!」と叫ぶ群衆のような心、お金への欲望のためにイエスを裏切るユダの心、我が身かわいさにイエスを見捨てて逃げたペトロや弟子たちの心、真実を知りながら自分の地位を保つために死刑執行の認可を下したピラトの心…そういった心が自分の中にあるのではないだろうか。
そんな心が渦巻く中でイエスはひとり、十字架への道を歩まれた。今日の箇所は逮捕される直前の、ゲッセマネの祈りの場面だ。「この杯をとりのけて下さい」と祈られる前半の祈りは、まさに悩み苦しむひとりの人間の姿だ。イエスは「超人・スーパースター」として十字架への道を邁進されたのではなく、私たちと同じような弱さや不安を抱えながら歩まれたのだ。 続きを読む »
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2022年04月03日
2022年4月3日(日)
哀歌3:25-33,マルコ10:33-45人間は「定席」を好む存在である。大学の教室でも、PTAの集まりでも、理事会でも読書会でも定席ができる。教会の礼拝も同様だ。「いつもの席」で安心したがる心理がそうさせるのだろう。
「どこに座るか」には人間の様々な心理が現れる。祝宴・晩餐会・お茶席では席順がそのまま序列や上下関係となる。その席順にこだわる意識には、人間の見栄・名誉欲・競争意識などが如実に表れる。中世の貴族や戦国武将にはその手の話が満載である。
イエスが律法学者を批判して言われた言葉がある。「彼らは会堂では上席、宴会では上座に座ることを望む。」神の律法を庶民に教え指導する役割…。それを担う教育を受けたことにより「神の御心に関しては我々が一番よく知っている」と自負していた人々だ。しかしその自負が、鼻持ちならないエリート意識を形作っていた。イエスはそんな姿を厳しく批判する。その対立が、十字架の原因となっていくのである。 続きを読む »
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